文化の根源-しゃぶしゃぶ
「文化の根源は、自然の脅威に対する民族の姿勢に由来する」日本は、仏教の教えの殺生の禁止や神道の血の汚れを嫌うなどの古代からの信仰によって、時代を経ながら自然と共生する道を選択してきました。明治以前までは、ほとんどの日本人は、肉食の習慣はなく菜食が中心の食生活でした。日本人が肉食をするようになったのは、公式には一八七一年(明治四年)に、明治天皇みずからが牛肉を食べて肉食を解禁したとされています。日本の獣肉食の歴史 - Wikipe
福沢諭吉は『文明論之概説』の中で「なお人身を養うに菜穀と魚食と両ながら欠くべからざるが如し。故に今、智徳の等閑にすべからざるを論ずるは、不養生なる菜食家に向て、肉食を勧るに異ならず」と食肉を推奨しました。
すき焼きやしゃぶしゃぶといった、血の見えない薄切り牛肉を使った日本独特の料理は、血の「穢れ」をできるだけ遠ざけようという苦肉の策だそうです。
享年と行年
行年」は、「この世に生まれて何歳まで生きたかを表す言葉、娑婆で行を積んだ年数」という意味です。「ゆくとし」ではなく「ぎょうねん・こうねん」と読みます。「行」はもともと時間の経過を表す意味があることから派生し「何歳まで生きたか」という意味を持つようになりました。記載方法は行年◯歳(年齢)とします。
対して、「享年」は「天から享(う)けた年のこと、何年生きたかを表す言葉」という意味を持ちます。記載方法は数え年で書き、読み方は「きょうねん」です。テレビなどで「享年◯」と書かれているのは、◯年生きたということを表します。
「行年」と「享年」の使い分けは、以下のとおりです。
*行年は霊園やお墓などで使用されることが多い
*享年は寺院に入れるお墓や位牌などに使用されることが多い
また日本には、還暦など年齢に関係する節目の際に寺院などで祝い事をする風習があります。その流れから、故人の亡くなった年齢も「天から享(う)けた命」、良きものとして考えるようになり「享年」を用いることもあります。(https://www.houyugroup.co.jp/topic/topic_manner/gyounenn)
行年と享年の意味からすれば、行年は満年齢を記すべきでしょうが、日本で満年齢を一般的に使用されるようになったのはつい最近なのです。
戦前までは、年齢といえば数え年が一般的でした。ですから墓石や位牌などの刻字も行年と表記しても数え年が刻字されました。そもそもアジア諸国では、数え年の考え方しか無かったのですから当然のことです。
つまり、明治以前の墓石や位牌などに記されている行年の年齢は、数え年がほとんどなのです。
数え年 – Wikipedia を参照ください。