罫礙とは
罫礙(けいげ)とは、「さまたげ、こだわり、ひっかり」のような意味の言葉です。心経の後半に「心に罫礙なし」と何事にも囚われず、解放された心の状態を説いています。
仏教では欲は苦の根源であるので棄てなければならないと説きますが、ここで云う私たちを苦しめる欲とは、我欲のことを指しています。欲に駆られ自分のみの幸せを願うような心持ちをいうのです。この欲は、他人の犠牲を伴います。
このような「我利我利亡者」では、他人のことに思いをはせることなく、常に自分のことが中心で他人を羨み妬み世の中に不満の心で苦しむこととなるのです。
「罫礙なきが故に恐怖あることなし」と心経は続きます。何ことにも囚われない心であるので、憂いや心配ごとなどな無くなると続くのです。